大雪のため列車の遅延や運休が発生する時期を迎えている。そのひとつが群馬県の高崎駅と新潟県の宮内駅とをむすぶ上越線。いまでこそ上越新幹線「とき」の最速列車であれば、東京駅から新潟駅まで、わずか1時間半ほど。しかも、雪の影響もほとんどない。
ここ数年、雪の多いせいもあろうが、上越線の雪による遅延や運休は列車の本数が影響しているように思える。かつての上越線は上野~新潟間の幹線として、日中は数多くの特急列車・急行列車が走り、夜間の寝台列車も少なくなかった。普通列車も上野~水上間、高崎~新潟間などが設定されていて、列車が頻繁に行き交っていた。最急勾配が20パーミルという難所を列車は乗り越えていたのだ。
だが、上越新幹線の開業後、運転系統が変わり、高崎~水上間、水上~長岡間は普通列車ばかりになり、いわば「上越国境が分断された」かたちだ。しかも、水上~長岡間は、一日に数本というローカル線と化した。列車の運転間隔があけば、線路に雪がつもりやすくなるのは当然の話だ。
上越国境を力走した電気機関車のひとつが「EF64 1000番台」。耐雪装備が強化された電機で、1032号機は現在も長岡運転所に所属している。かつては寝台特急「あけぼの」の牽引にもあたっていた。現在は総合車両製作所新津事業所で製造されたJR東日本の首都圏向け通勤形・一般形電車の車両を首都圏へ配給回送する任などにあたっている。