9月の半ば、私事で新潟へ。車窓から見えたのは一面の田んぼで、稲穂が秋風に揺れていた。一部はすでに稲刈りも終わっているようだ。
コロナ禍とあって長逗留はできず、用事を済ませて戻らざるを得なかった。以前、弥彦山の展望台から眼下に広がる越後平野の金色に輝く穂波はまさに絶景。いつかまた、あの風景を眺めたいものだ。
越後線を走る信越本線の長岡あたりは、かつて「特急銀座」と呼ばれた。「とき」が1時間ヘッドで走っていたほか「いなほ(のちに「鳥海」)」「白鳥」「北越」「雷鳥」「はくたか」などが走り抜けていた。急行列車も負けじと「佐渡」「よねやま」「しらゆき」「赤倉」といった面々が活躍。「信濃川」という臨時急行列車もあった。寝台列車の「日本海」「きたぐに」も現役だった。
現在は上越新幹線が高架を疾走しているが、在来線のローカル列車でのんびり、ゆったりした旅を楽しむのも素敵なことだと思う。
さて、この連載も30回目となった。ごらんいただいた方に楽しんでいただけているのかどうかわからないが、もうしばらくおつきあいいただければ幸甚。