借問酒家何処有,牧童遥指杏花村
(酒屋はどこかとたずねれば、牧童は遠く杏花村を指さす)
唐の杜牧の詩「清明」より-
清明時節雨粉粉 清明の時節 雨 紛々
路上行人欲斷魂 路上の行人[こうじん] 魂を断たんと欲す
借問酒家何處有 借問[しゃくもん]す酒家[しゅか] 何れの処にかある
牧童遙指杏花村 牧童遙[はる]かに指さす杏花[きょうか]の村
杜牧のこの詩は、中国では誰もが知っている詩と言えよう。とりわけ清明節の頃は、この詩によって人々は遥かに様々な思いを馳せる。詩句は分かりやすく、声に出して詠じると実に気持ちが良い。「欲断魂(魂を断たんと欲す)」という三文字は、三つの意味を表していて、1つは雨が激しく、歩きにくい為で、2つ目は死者を供養するときの感情、3つ目は疲れていて、冷え冷えとして、悲しいということ。そこで、お酒でも飲んで暖まりたいと思って尋ねる。可愛い牧童が手を挙げて指さすのは、ああ、名酒の産地。ますます飲みたくなって、元気を奮い起こして、また歩き出す。
日本にも同様の情景がある。死者が行くのは「彼岸」と呼ばれる場所だ。名前の通り、対岸の世界――死んだ後はみなそこに集まる。この瞬間、生きている人々はより物分かりよく穏やかになる。そうだ、和やかさは富を生み出し、のんびりした心は長寿を増し、平和的な前進は、民を富ませ、国を強くする。今昔を思い比べると、個人を懐かしく思い出す。田中角栄先生、周恩来先生に心から感謝する。当時両国間の国交正常化に貢献した多くの同僚や同志に感謝する!
(編集者:秦川)