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月曜日, 5月 13, 2024
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仙人掌礼賛(散文詩)

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果てしない砂丘、行けども行けども続く
黙々と、一つまた一つと足跡を残して。
果ては見えない、胸の鼓動がが聞こえるだけ!
ああ、ついに遥か前方に緑の命が現れた—

——仙人掌? そうだ、あれは仙人掌だ!
翡翠のような色彩が、黄色い砂のなかで輝いている。
いかにも実直で素朴な姿、砂漠にしっかり立っている。
ああ、長寿の源を見いだしたようだ—
-しなやかな根を延ばして、母なる大地の乳を静かに吸っている。
道理で、その不思議な植物はこんなにも力強く逞しいわけだ。

気を付けて、気を付けて、その葉には棘がある!
え? ちっとも痛くない、むしろ優しさと親しみを感じる。
なぜだろう、何か別の境地があるのだろうか?
昔も今も、『醒世恒言』の世界には興味をそそられる:
永遠に色あせない翡翠の緑は若さの証。
風に耐えて真直ぐに立つ厳かな姿は、天地との共存を表す。
仙人掌の棘を軽くはじくと、万感胸に溢れるだろうか?
そう、その声なき警告は、人類に心の平和を永遠に保てと訴えているのだ!

付記:かつて中国で人気のイケメン俳優にそっくりなある日本の俳優に、「仙人掌」って何ですか?と訊かれたとき、私は答える代わりに微笑んで、この詩を彼に手渡した。 彼はものを言うようにまばたきし、その詩を上着のポケットに入れると、にっこりと微笑んで、身を翻し、引き締まった背中を残して去って行った。

(芹川維忠 2020年秋)

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