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土曜日, 7月 27, 2024
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漢字の話(7)「躱」

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  このところ、外出を控えてはいるが、それでも街を出歩くことはある。気になったのは自転車のマナーの悪さだ。最近は「自転車通行帯」というのだろうか、自転車のマークと走る方向が路面に示されているが、驚いたことに逆走してくる人がいる。

  あろうことか、歩道を我が物顔で走る自転車もある。歩行者からすれば迷惑を通り越して危険きわまりない。道路交通法によれば、自転車が歩道を走るのは違反行為で3か月以下の懲役または5万円以下の罰金…らしい(小学生や高齢者などの例外はあるそうだ)。そもそも自転車といえども「軽車両」であり、歩行者の安全が優先されることはいうまでもない。

  だからといって、タチの悪い自転車に乗っている人に対して文句を言うのは賢明ではなさそうだ。おそらく彼らは「何が悪い」と思っているだろうから「糠に釘」「暖簾に腕押し」にしかならない。自転車のルール違反については、警察の取り締まり強化を期待するしかない。

  悪質な乗り方の自転車に対しては「躱す」にかぎる。最善の方法とはいえないが、避けること・関わらないことだ。

  「躱す」という漢字の偏である「身」は、女性が身ごもっているようすからできたものだが、のちには「からだ」をあらわすようになった。旁の「朶」は、たれる、たれさがるといった意味で、たとえていえば「逆らわない」といったところか。つまり、身の安全を考えれば「躱す」のが何よりの自衛手段である。もちろん、イラっとしたり、ムカッとしたりすることもあろうが、心にゆとりがあれば不可能ではない。

  そういえば、かつて「ゆとり」と呼ばれた車両があった。もともとは国鉄時代にジョイフルトレインのひとつ「サロンエクスプレス東京」として登場した団体臨時列車用の欧風客車。JR東日本に引き継がれたのち、和式客車「ゆとり」となり、2008(平成20年)頃まで活躍した。

  コロナ禍で、世の中全体が、なんとなくギスギスしている感は否めない。だが、いまだからこそ、身に降りかかる難をさらりと躱す心のゆとりをもちたい…と自分自身に言い聞かせている。

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