唐の李商隠の詩「無題」名句より—
「身無彩鳳双飛翼、心有霊犀一点通」
「この身に美しい翼はなくても、心に霊犀があれば心が通じる」
古代の伝説によれば、犀は不思議な霊力を持つ神獣だと思われていた。その独特な角には一筋の白い模様があり、それで互いの魂をつなぎ、心を通じさせることができるので、人はそれを霊犀と呼んだ。 人と人との関係において、もし双方が同じ職業や趣味を持っていれば、たとえ山や川に隔たれた場所にいても、その人のことがよくわかる。それは、その人たちが犀の角の白い模様で繋がれているからだ。だから、その身に美しい鳳凰の不思議な翼がなく、すぐに相手のところへ飛ん行けなくても、心はとっくにつながっていて、お互いの意志は通じ合っている。
日中友好交流の文化の領域において、二人の音楽家の年齢を超えた友誼の物語があり、最近NHKがそれを報道した。年配の方は日本のソニー株式会社の第五代社長大賀典雄で、若い方は中国フィルハーモニー交響楽団の芸術総監督余隆だった。二人はそれぞれドイツに留学したことがあるので、ドイツ語は音符と同様二人の心を通わす手段だった。ある時、北京での交響楽公演で指揮をしていた大賀は突然気を失ってしまい、緊急治療が必要になった。余隆はすぐに指揮棒を受け取り、第二楽章から、よどみなく指揮を続け、会場を大いに沸かせた。
(編集者:秦川)