この連載も第60回を迎えた。関係各位には、感謝、感謝である。
さて「みなかみ舎の雑記」というタイトルにちなんで、客車列車の「SLみなかみ号」について語ろう。
電車や気動車と異なり、客車列車は自走できないため、牽引する機関車が必要になる。動力の近代化で、電気機関車(Electric Locomotive=EL)やディーゼル機関車(Diesel Locomotive=DL)が活躍していたが「イベント列車」として蒸気機関車(Steam Locomotive=SL)の牽引する列車が日本各地で走り、人気となっているのは多くの方がご存知のとおり。
昨今は「DLぐんまみなかみ号」や「EL YOGISHAみなかみ」が運転されているが、ひところ高崎・水上間に「SLみなかみ号」が運転されていた。普通列車で1時間ほどの区間を2時間程度かけて走る。個人的にはELのファンだが、やはりSLの迫力は認めざるを得ない。
SLの特徴として、目的地に着いての方向転換がある。ELは車体の両端に運転台があるが、SLには運転台が一か所しかないためだ。
たとえば、到着した下り列車から一旦離れたSLは、機関区などに設置してある転車台まで移動し、向きを変えてから側線などを通り、列車の先頭に移動し、再び連結されて上り列車の先頭に立つというわけだ。
掲載する写真は、第51回でも登場したSLのD51形498号機。ヘッドマークの「みなかみ」の文字をごらんいただけるだろうか。
さて「みなかみ舎」の名称の由来のひとつは「みなかみ町にゆかりがあってのこと」だが、じつはもうひとつある。「仕事については基本的に書籍と雑誌が中心」という方針。「紙媒体」がメイン、つまり「仕事は皆、紙=みなかみ」という洒落である。
どうぞ、今後ともよろしくおつきあいください。