人生において、右へ行くか、左へ進むか…という選択を迫られることは多い。しかも、必ずしも二者択一とは限らず、三択、四択というケースもある。
鉄道において、目的地に行く場合、上り列車に乗るか、下り列車に乗るかという選択肢だが、路線が交差する場合は、三つ以上の選択肢となる。
たとえばJR南浦和駅では京浜東北線と武蔵野線とが、JR武蔵浦和駅では武蔵野線と埼京線とが交差している。だが、いずれの駅も路線によってホームが分かれており、駅名板にはそれぞれの路線の隣の駅が表示されており、誤乗も少ないだろう。
ところが、ひとつのホームに複数路線の隣の駅が示されていることもある。信越本線・羽越本線・磐越西線が交差する新津駅だ。磐越西線は「SLばんえつ物語」号が走ることでも知られている。
新津駅は、信越本線の駅としては中間駅のひとつだが、羽越本線の起点駅であり、磐越西線の終点駅。駅の所在地は、かつて「鉄道のまち」と呼ばれた新津市だったが、現在は新潟市秋葉区となっている。
その新津駅の駅名標示板には「四つの隣の駅」が記されている。信越本線の上りは「古津」、下りは「さつき野」、磐越西線の上りは「東新津」、羽越本線の件は「京ケ瀬」である。列車の本数は新潟行の信越本線の下りが圧倒的に多いが、それにしても初めて新津駅を利用する人や、新潟行以外の列車に乗ろうとする人にとっては、ちょっと戸惑うかもしれない。