所要で新潟へ。
青々とした稲穂が揺れていた。そろそろ新米の話も聞く時期である。
「米」という漢字の横線は、穀物の穂の茎をあらわし、その上と下に「点」が三つずつ記されたのが字源だそうだ。六つの点は実をあらわし、多くの実がつく穀物で「米」となったと伝えられている。
その昔「米」を「八、十、八」と分解し「農家の方が、88もの苦労をして育て上げた」と聞いたこともある。
「88」といえば、長寿の祝いのひとつに米寿があり、もちろん、88歳を祝うもの。昨今は、88歳でも矍鑠とした御仁は少なくない。また「人生100年時代」とも言われているが、かつて88歳といえば、まさに長寿と呼ばれるにふさわしい年齢だったのだろう。
さて、日を追うごとに、青々とした稲穂の波が、やがて金色に変わっていく。秋風に吹かれて、ゆらめく新潟平野の金色の穂波は絶景である。
農家の方の苦労が実り、稲が順調に育ち、稲刈りが無事に終わることを祈るばかりである。